カンボジア、日本企業の有望投資先で最下位級 浮上の鍵は制度改革

日本企業の海外投資先として、カンボジアの評価は低い。国際協力銀行(JBIC)が海外現地法人を3社以上持つ日本企業を対象に実施した調査で、製造業の中期的な有望投資先としてカンボジアは20位(得票率1.5%、5票)にとどまった。3位ベトナム(25.1%)、4位インドネシア(22.2%)、5位タイ(15.1%)と続く東南アジア主要国の中で最も低い水準だ。ベトナムなどで人件費が急騰し、次の低コスト拠点が探されるなかでも、カンボジアは選ばれていない。

カンボジアは他の東南アジア諸国と比べて何が足りず、何を改善できるのか。この問いに、カンボジア経済研究センターが東南アジアの110の国ペアについて、2009〜2022年のFDI(対内直接投資)残高を分析して答えた。浮かび上がったのは制約の二層構造だった。電力供給の不安定さは域内全体でFDIを押し下げる共通の制約で、改善しても近隣国との差別化につながりにくい。一方、法の支配と行政の有効性はカンボジアでのみFDIと強く結びつく固有の制約で、両指標がそろって有意に関係する国はサンプル中カンボジアだけだった。ガバナンスがFDIに与える上乗せ効果は、平均的な投資先の桁違いに大きい。背景には、FDIの43.7%を中国一国に頼る現状がある。電力整備は必要だが域内共通の課題のため、投資先としての差別化にはつながりにくい。改革の限界収益が最も高いのは司法・行政制度であり、政策の優先順位を制度改革に置く必要があると分かった。ただし論文は、これを因果関係ではなく相関と位置づけている。

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